たて座
Scutum
最も明るい星: Alpha Scuti
概要
たて座はわずか109平方度を占める小さな星座で、全天で5番目に小さい星座です。小さな星座ですが、わし座のすぐ南の、天の川の並外れて豊かな部分にあります。たて座の星雲状の星の群れ(スタークラウド)は、肉眼で見える天の川の中で最も明るく目立つ部分の一つで、何千もの遠い星が溶け合って光り輝いています。たて座は1684年にヨハネス・ヘヴェリウスがスクトゥム・ソビエスキアヌムとして作ったもので、1683年のウィーンの戦いでオスマン帝国を破ったポーランド王ヤン3世ソビエスキの盾をたたえています。アルファ星は3.8等で輝きます。
神話
たて座は、特定の歴史的な出来事と人物をたたえるために作られた唯一の星座という点で、星座の中でも独特です。ヤン3世ソビエスキ王は1683年9月12日のウィーンの戦いで史上最大の騎兵突撃を率い、オスマン帝国の包囲を打ち破って、ヨーロッパの歴史の流れを変えました。同じポーランド人で、当時最も偉大な観測天文学者の一人だったヘヴェリウスは、感謝を込めて翌年この星座を作りました。もとの政治的な記念の意味は薄れましたが、盾の象徴は、守り、勇気、そして文明を守ることの力強いイメージとして今も残っています。目に見える天の川の最も密集した部分という星座の位置が、星のちりばめられた豊かな戦場を与えています。
占星術的な意味
たて座は伝統的な占星術には登場しません。象徴としては、盾は、守り、価値観を守ること、そして圧倒的な困難に立ち向かう勇気を表します。攻撃的な象徴と違い、盾は、しなやかな強さ、耐える力、そして最も大切なものを守ろうとする意志の中にある強さを語っています。たて座のエネルギーとつながる人は、ほかの人が退くときにも踏みとどまり、自分のコミュニティの守り手や擁護者になるかもしれません。たて座のスタークラウドは、大きな集団の支えという象徴を加え、一人ひとりの勇気ある行いの背後には、見えない味方と力の軍勢がついていることを示唆しています。
観測のヒント
たて座はわし座の尾のすぐ南にあり、7月と8月に観測するのが最適です。たて座のスタークラウドはこの星座で最も印象的な特徴で、肉眼で見える明るい天の川の一部であり、双眼鏡では壮観です。野鴨星団(M11)は空で最も見事な散開星団の一つで、2,900を超える星の密集した群れが、小さな望遠鏡では扇形のしぶきのように見え、飛んでいく鴨の群れを思わせます。M26も星座内のもう一つの散開星団です。デルタ星は脈動変光星の一群の原型で、星震学の研究で重要になっています。